高校生活最後の勇気?-1 [青春期]
それは、卒業間近のある放課後であった。
校舎の二階の窓から中庭を通って帰るE子の姿があった。
ちょうど放課後の掃除が終わったばかりであった。
あわてて、鞄をとって駆け下り校門の外へ出た。
1.白鷺城の思いで♪
3年間、何となくほのかな恋心を抱いていた人がいた。
その子がふと気になりだしたのは、
それは高1の時、
姫路城へ、
学年全体でバス旅行をしたときのことだった。
姫路城の城内の広場で、
暖かい秋の日差しを浴びながら、
クラスメイト達と、
うきうきと楽しそうに、
お話ししている彼女を見た。
その時だった。
それまで別に目にも留まらなかった彼女が、
急に私の目を
無意識のうちに引きつけたのであった。
彼女の瞳は輝いていた。
体全身が躍動していた。
何故か?
その子を見るや、
心ときめき、
心臓の鼓動が高鳴り、ドキドキした。
それまで無かった感情が、
電気のようにから全体を流れた。
一目惚れとは、こういうものなのか?
ふとおもった。
白鷺城の美しさを見て、
私の心も躍っていたのかもしれない。
2.ある廊下での出合い
ある用でEさんに、”Eさん”と呼びかけた。
彼女は歯切れよく”ハイ”と応えてくれた。
その声の響きは、
私の心の感度をますますよくした。
そのときの真っ黒の澄んだ瞳は、
私の目をはなさなかった。
私の片思い?が
始まっていたのかもしれない。
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