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関西の地の青春 高校の頃-3 [高校時代]

この間、何とか、高校受験をクリアし、
新たな晴れ舞台、高校生活が始まった。

中3の、九州から関西へと移り住み、
家庭も波乱含みだった生活をステップとして、
高校時代の青春を謳歌することになるのである。

中学時代は柔道をしたが、
高校はバスケットをすることにした。
バスケットも初めての体験であったが、
厳しい練習が待っていた。
恋いこがれる恋も最高潮?だった。

2.この頃、高校生活

この頃、高校生活が私にとっては
少し負担になっていた。
家庭では相変わらず、
両親の間、家族の間には父親が引き起こす
嵐が吹きまくっていた。

また、私にとっても高校の勉強は
中学までとは違って、
クラブ活動を続けながらの
勉強は半端でなかった。

二次曲線とは?
円とは?
楕円とは?
解とは?
接線とは?
虚数とは?

ステップアップされ、

次々繰り出される
代数幾何学としての新たな数の概念が
子守歌のように聞こえてくる。

クラブの疲れや、
父親の罵声による
寝不足が、どうしょうもなく眠気となって襲いかかる。

それに、たまにくる故郷のあの子の手紙も
私にとっては、”早熟?”過ぎた。

この年代になると女の子の手紙は、
文学少女ぶりを
いかんなく発揮していて、
高尚すぎた。

手紙の中の詩歌

   「砂」    石川啄木

ひと夜さに 嵐来たりて築きたる
この砂山は
何の墓ぞも

命無き砂の悲しさよ
さらさらと
握れば指の間より落ちつ

頬につたう
涙のごはず
一握の砂を示しし人を忘れず

砂山の砂に腹這い
初恋の
傷みを遠く思いいずる日

砂山の裾に横たわる流木に
あたり見回し
物言いてみる

しっとりと
涙を吸える砂の玉
涙は重きものにしあるかな

いたく錆しピストル出でぬ
砂山の
砂を指もて掘りてありしに


この内容は、
この最中に突入したばっかりの私を、
圧倒した。

今思うに私の文学レベルが、
低すぎたとしか言いようが無かった。

石川啄木、北原白秋の詩歌などの
引用が次々出てきた。

だからといって、当時、
固めてそれらに応えるべく、
多くの小説や文学書を読む時間も、
日々の生活の中にはあまりなかった。

そんなに文学書の読書量が多くなかった私には、
少々もてあまし気味だった。

ちょうどそのころ、彼女の写真が送られてきた。
昔懐かしい筑後川の河原に、
制服姿の可憐なJ子が顔を傾げて立っていた。

私も、そのころ六甲の奥池に、
いとこや姉たちとハイキングに行き、
ボートに姉と乗った写真を撮っていた。
それであまりよく考えず、その写真を同封してしまった。

その後、一週間ほどしてから返事が来た。
そこには衝撃的な数行が有った。

そしてそこに、

「男子三日あわずんば、刮目して待つべし!」

と、
致命的一文が
付け加えられているでは無いか!?

そうなのだ。

姉との写真が
誤解されてしまったのだ。

周りの環境の重さも手伝って、
それをはねのけるだけの

”沸き上がる活力”は、
当時の私には残っていなかった。

”淡いプラトニックの終焉”

を意味していた。

これも今思えば懐かしい思い出である。



”最後のあの子よりの詩”

 「一本の杉」

荒野の中に立つ
一本の杉
まだ若々しい杉

ある日暴風が吹いた
激しく
杉の木を揺すぶった

杉の木の枝は
無惨に折られ
杉の木は悲鳴を上げた

だがついに嵐は過ぎた
傷ついてしかし元気に
杉はたっていた


未熟な、
そしてもどかしい、
もがくには遠すぎる故郷、

高校一年生の

”暑い夏”

しかし、
胸の内に
ぽっかり穴のあいた、
息苦しい夏は終わった。


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