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高校生活最後の勇気-2 [青春期]


3.ある昼休みのこと

ある爽やかにはれた、
ぽかぽかと暖かい冬の日であった。

私は数人の友人と、
運動場の片隅の鉄棒で、
ひなたぼっこをしながら
鉄棒にぶら下がったりして
遊んでいた。

遠くの方で
彼女が歩いているのを見つけた。

私は、一番高い鉄棒にぶら下がっていた。
俄然!!元気が出てきた。

思いっきり体を降り始めた。
まず、
覚えた”小振り”から始めた。
成功!

次に連続して、

”中抜き”に入った。
これも成功!!
うまく腹が鉄棒に着かず、スムーズにすり抜け、
大きく鉄棒の後方に
全身を突き放すことができた。

まっすぐに伸びた両腕から
足の先まで直線に伸びた全身を

両腕に握りしめられた鉄棒を軸に

大きく前に振り下ろすと、

”大振り”の体勢に変わり、
逆スイングが始まり大振りの元の位置に戻ってきた。
素早く最高点で
鉄棒を握った鉄棒を支点に
グリップから両肩まで
両腕をまっすぐに保ちながら

両肩を支点に
身体を一直線に保ちながら
体の腹部をそのまま鉄棒に引きつけ
しかし腹部は鉄棒に接着しないように

そのまま一気に
もう一度、
”中抜き”に入った。
これも成功した。

同時に、連続して

”けあがり”の体勢に入った。
強く鉄棒から体を後方に引き離し、
両腕は真すぐ伸ばした。
前方に身体は大きくスイングし、
逆スイングするその瞬間腰を軸にV字型の姿勢に移る。

そして戻りざまに
両腕にしっかり握られている鉄棒に向かって
腰を思いっきり跳ね上げた。

体は直立の姿勢のまま、
上半身は鉄棒上に両肩を軸に浮き上がり、
全身は鉄棒を軸に半回転した。

と同時に、
後ろに体が振り返す寸前に、
両足を、腰からしたの両足をまっすぐ伸ばしたまま、
V字型に振り上げる。

戻る反動で、両腕を伸ばしたまま、
腰を鉄棒に引きつける。

と同時に、
全身を直立の姿勢に返した。
両腕でしっかり固定した鉄棒と腰を支点にして、
後ろに半回転しながら、直立した姿勢の体はぴたりと、
鉄棒の上に留まった。

体操選手ではない素人の私にしては上出来だった。
あの子がこちらを振り返ってくれたかどうかはわからない。
友人達は、”うまくできたなあ”と言ってくれた。

内心冷や汗をかいた。
なぜ?
このとき”気合いが入った”のか?
知られてしまったような気がしたからだ。
でも、
”誰にも何もはなしていないので大丈夫!”と
自分に言い聞かせた……。


4.2年生の時の放課後の出来事

私は、クラブ活動のため、教室を出ていたが、
忘れ物をして教室に戻った。

すると、
放課後、
彼女は誰もいない私の教室で受験を控え、
自習していた。

一瞬息をのんだ!
まさか、
こんなところで勉強しているなんて!?
冷静さを装いながら、
私は「がんばっているんやね~!」と
月並みの台詞をはいて慌てて、
部室へと、
我が教室に名残惜しさを感じながら出ていった。

(予告編)

5.ある日の決意

3年生の初春を迎えた頃、
高校生活もそろそろ終わりを迎えていた。
ある一つの決意と勇気が求められていた。

受験を控え、
夢中になるのは戒められる必要があった。
しかし、
今という青春を無駄にしたくない、
後悔したくないという
「価値ある青春時代にしたい」、
という燃え上がる気持ちもあった。

私は、彼女が親しくしている友人に、
手紙を託した。

『「貴方は私にとって、心の中の”一輪の花”のような存在です」

(今思うとキザっぽい?)と書いて、

「S駅の待合室でPM4;30にあってください」』

と書いていた。


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