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痛ましい出来事-2 [日記、エッセイ]

この痛ましい出来事を通して明らかになったことは、
子供達の安全は、
子供のある親たちの中でも必ずしも守れない

と言うことが明らかとなりました。

というのは暗黙の了解として、
親同士の中では、
子供を持っている親は、他人の子供に対しても
必ずわが子と同様に命を守ってくれるに違いない

という前提を、
それが単に思いこみに過ぎないにも関わらず
思いこんでいたということです。

ある母親がこういっていました。
「結局、自分の子供は自分しか、護ってやれない」。
ということをしみじみ語っていました。

私としては、心の中に「そうではないはずだ」。
と叫びながらも、
公然と否定できない”もやもや感”が漂っていました。

最近の雰囲気の中に、
何となく世代間に関わりなく
簡単に人の命を奪ってしまう事を
あまり重大なことではない、
と思うような風潮が
漂っているような気がしてなりません。

それは命だけでなく、
人そのものを自他共に大切にし、分かち合うという
日本固有の「和」の精神が有る「なにもの」かによって
破壊されつつあるような気がします。

これは個人的な努力では
解決できないような”大きな社会的力”が
作用しているように思えます。

日本人は周りに作用されやすく、
良いことも悪いことも、
みんなでわたれば怖くないというような集団心理が
受け入れやすいような気がします。

「付和雷同組」や「寄らば大樹の陰」などそれに相応する考え方は
いくらでも出てきます。
そこにはメリットも有りますが、
根本的には、自らに責任を持つという意味での
主体性が欠けています。

そのため、嘗ての太平洋戦争の時も
みんなが軍部の独走に疑問を呈することなく、
一億全体がこぞって走り出しました。

(一部には待ったを掛けた方々もいらっしゃいましたが、全く無力な存在でした。治安維持法などによる弾圧がひどかった為民主的な討議が国民の中で行われる風土が無かった。個人的レベルで言えば家父長制的な家庭の中で、問答無用に家長の主張に右習えであった。そのため、家長が間違えれば家族全体が間違ってしまうという事を意味した)

結果的には戦後は軍部がアメリカ占領軍に取って代わられたかのように
そこになびいてしまっているのが実状のようです。

確かに
そのため西欧型の民主主義が
有る面では定着しましたが、

全体としては、

自らが責任を持って、
主体的に徹底して考え、
行動するという
人間本来の高等な思想哲学を
失いつつあるのでは無いか、
という危惧がどうしても払拭できません。

それは、
詰まるところ日本という風土に住む
私たち一人一人の心の中に住み着き、
石にかじりついても何とかしようという強い意志が
失われつつあるのでは無いのか?
と思ってしまうのです。

それはある面では逆説的ですが、
「その何とかしよう」という一部分の気持ちが
日本人それぞれ一人一人という意味での全体の意志では無く、

あだ花としての「意志」が、
極端な方向にむき始める可能性をも、
示唆しているような気がします。

そうならないためにももっと多くの人が
真剣に心を通わせ合いながら、
だからといってなれ合いにもならないように
血を吐くような意見も含めて話し合う必要がある気がします。


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キコウ

初めまして。
国際交流ボランティアです。

差別する心がつくる雰囲気ってこわいですね。
母親間の差別はよく問題になります。
母親が差別すると、その子供が、大人でもびっくりするような悪口を、差別された母親の子供に言うことがありますね。
自分の子供の悪口を別の子供から言われたらその母親のことまで想像してしまいますから母親は感情的になります。

差別して一時的に気分がよくても、反対に反感をくらってしまい、下手をすれば被害をこうむりますね。

ご意見のとおり、母親も社会の雰囲気を改善する工夫と努力が必要ですね。
by キコウ (2006-02-22 13:22) 

m_kikuchi

キコウさん、初めまして!
コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします。国際的なボランティアをなさっているんですね。今日国際問題は激しく揺れ動いていますのでこれからも民族問題、差別問題、国際紛争など人の間に亀裂が入るような問題が目白押しですね。こんな時ほどあなた方のような人々が間に入って交流を深め差別や偏見の誤りを諭し、人の和を作っていくことがますます重要になっていくでしょうね。大変でしょうが頑張ってくださいね。
by m_kikuchi (2006-02-27 11:07) 

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